牛コロナウイルス(BCoV)は牛に呼吸器症と下痢症を引き起こす。牛以外に本感染症の病態を再現する動物モデルが存在しないため、病態解析や弱毒生ワクチン株の樹立が進んでいない。また、マウスのゲノム編集技術を用いて病態再現マウスを樹立するのではなく、日本で販売されているコンベンショナルマウスを用いてBCoV病態再現マウスを確立できたのなら、汎用性と経済性の面で大きな利点が期待される。残念ながら本研究では、BCoV病態再現マウスの樹立は叶わなかったものの、培養細胞にて長期継代したBCoVを得ることができた。今後、継代株の増殖性を解析することで、将来的なBCoVワクチン開発に貢献できる可能性がある。
|