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2020 年度 実施状況報告書

獣医臨床応用を目指した角膜移植の代替となりうる人工角膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K15666
研究機関北里大学

研究代表者

田島 一樹  北里大学, 獣医学部, 助教 (50770393)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード犬 / 脱細胞化 / 角膜 / 豚
研究実績の概要

研究代表者は、獣医臨床応用を目指した角膜移植の代替となりうる人工角膜の開発、と題し、2年間の研究計画のうち初年度の研究を実施した。イヌやネコを対象とした小動物の獣医療の臨床現場において、眼の最外層をなす角膜疾患は非常に多く遭遇する疾患であり、難治性の角膜疾患にも度々遭遇する。難治性角膜疾患に対する唯一の治療法が角膜移植であることも多く、ヒト医療領域では、そうした疾患に対しては実際に角膜移植を治療として行っている。しかし、ヒトにおいてはアイバンクが整備されており、ドナー確保に向けた組織が存在しているものの国内ドナーの数は多くなく、輸入角膜に頼った角膜移植術が実施されている。そうした中、小動物獣医療領域においては角膜移植適応患者に対し、アイバンクも整備されていないことから重度のドナー不足等が原因となり角膜移植がほとんど実施できていない現状がある。そこで我々は、小動物臨床領域に応用可能な人工角膜の作成を目指した。人工角膜の候補として、生体適合性の高い脱細胞化角膜を応用することをターゲットとした。
当該年度の目標は、脱細胞化角膜作成の手技を安定させることであり、以前から用いてきたプロトコールで安定的に脱細胞化が達成できたことから、ひとまずの目標は達成できている。更に、脱細胞化角膜の保存方法やプロトコールの最適化についても検討をすすめることができ、獣医臨床応用を目指す上で基盤となるデータを得ることができた。次年度はこのデータを基に、実際に細胞を播種し、細胞生着が可能な人工角膜を作成する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度における主な到達目標は、角膜の脱細胞化手技を確立すること、また、脱細胞化角膜の保存方法を先行して検討することであった。この、従来の目的であった脱細胞化角膜の手技獲得は安定的に実施され、更には保存方法についても一部データが取得されたことから、おおむね順調に計画が進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

実験が予定通り遂行されていることから、次年度の目標は予定していた通りにすすめる予定である。従来の目標である脱細胞化角膜の滅菌方法の検討を行い、良い滅菌方法が確立された後、細胞の生着性を確認する実験を実施していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会旅費を予算として計上していたが、新型コロナウイルス感染症の発生により国内外の学会が中止あるいはオンライン開催となったことにより、旅費の計上がなかったことによる。次年度も国内外ともに旅費の支出が計画より減少することが予想されるため、オンラインの国内および国際学会に積極的に参加し、昨年少なかった研究成果の公表をリカバリーしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Decellularization of canine kidney for three-dimensional organ regeneration2020

    • 著者名/発表者名
      Tajima Kazuki、Kuroda Kohei、Otaka Yuya、Kinoshita Rie、Kita Mizuki、Oyamada Toshifumi、Kanai Kazutaka
    • 雑誌名

      Veterinary World

      巻: 13 ページ: 452~457

    • DOI

      10.14202/vetworld.2020.452-457

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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