研究課題/領域番号 |
20K15667
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮平 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (80825216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺高血圧 / 右心機能 / 心筋ストレイン / 心エコー図検査 / 心不全 / 心臓カテーテル |
研究実績の概要 |
本研究では、新しく有用性が期待される心筋ストレイン指標について、心不全病態における右心機能評価としての有用性を確立することを検証している。今年度は、右心機能不全病態を呈する慢性肺高血圧症モデルの作製手技を確立し、その詳細な病態変化を経時的に心筋ストレイン指標で観察した。現在までのところ、最終的な研究予定頭数のうち約半数でデータ取得および解析を終了した。 病態モデル作製過程においては、心機能指標のゴールドスタンダードである心臓カテーテル指標と本研究で確立する心筋ストレイン指標の関係性の一端を解明し、本研究の目的の1つである①心筋ストレインは観血的な右心機能指標とどの程度相関するか?について、基礎的検討結果を海外および国内における学術集会で報告した。また心筋ストレイン指標結果の一部を応用したところ、より有用性が期待される新規の右心機能指標候補が確立されたため、新規指標について我々のデータベースにおける過去の心不全症例で回顧的な検討を行い、その成果を査読あり国際学術誌にて公表した。さらに本研究では犬の肺高血圧症をターゲットに病態解析を行っているが、猫の心疾患症例でも同様な病態評価が可能である知見を集積し、学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の計画内である、病態モデルの作製を順調に行うことができた。またその作製過程において、目的とする心筋ストレイン指標の有用性をさらに裏付けする知見が得られ、実際に臨床症例における成果として実証することができた。また最終的な目標であった犬の肺高血圧症病態の評価に加え、猫の病態評価への有用性も報告し、おおむね順調に研究計画、さらには実績報告ができていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終的な目標頭数まで病態モデルでの解析を行う予定である。病態モデルでは、臨床症例での検討と異なり心臓カテーテル指標を詳細に解析しているため、より正確な右心機能評価指標の確立を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に研究成果報告の費用として予定した学会発表費が不要であったためである。次年度にて、研究成果の報告に使用する予定である。
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