現在、獣医療において市販されている免疫チェックポイント分子阻害薬はないが、国内外の研究グループが開発を進めており、現場で使用できる日も近くなっている。これまでの獣医師主導臨床試験の結果では、一部のメラノーマ症例で治療効果を示すものの、大部分が治療抵抗性を示している。そのため、その原因の解明が必要とされているが、犬において腫瘍局所の代謝と免疫に焦点を当てた研究は行われていない。そのため、低酸素化によりメラノーマ細胞から放出される免疫抑制性因子が同定され、その制御が可能となれば、将来的に腫瘍局所の代謝環境を制御することによる新しい免疫治療アプローチの創出が期待できる。
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