受精後のマウス雄性ゲノムの再プログラム化には、卵内のヒストンH3R17がジメチル化されている(H3R17me2a)ことが重要である。本研究では卵や受精卵、さらに胚性幹細胞や線維芽細胞において、H3R17me2aは細胞分裂間期のゲノムには存在するものの、分裂期のゲノムからは消失することを発見した。脱メチル化阻害剤を用いた実験により、マウス卵の細胞分裂期と間期の間でH3R17me2aの動態が変化し、これが胚発生にも影響を及ぼしていることを見出した。また、ウシを用いた研究では、ヒストン取り込み等のイベントを伴う受精卵の前核形成に、特定のアミノ酸が影響を及ぼしていることを見出した。
|