2017年にノーベル化学賞の対象となった技術であるクライオ電子顕微鏡法の台頭によって、Gタンパク質共役型受容体 (GPCR) とGタンパク質との複合体構造が次々に報告され、動物の三量体Gタンパク質の活性化/不活性化の分子機構が原子レベルで解明されつつある。しかし、植物のGタンパク質シグナルの分子機構はほとんど不明である。本研究ではそのような植物の膜タンパク質を介したGタンパク質シグナリングに着目し、構造生物学的研究を行った。その結果、これまでに精製の報告がない植物由来膜タンパク質の発現と精製に成功した。これは今後、植物の三量体Gタンパク質シグナル制御機構の理解を促進させると期待される。
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