炎症性腸疾患の病因タンパク質と言われているNOD2の活性化機構および活性制御機構は解明されておらず、炎症性腸疾患の発症の分子機構の理解およびNOD2を標的とする治療方法の開発が困難とされている。本研究ではNOD2の活性化機構の解明を目指していた。独自のPEG修飾法により、性質不安定なNOD2タンパク質を安定化させ、クライオ電顕による高分解能でのNOD2の構造解析を可能にした (Structure, 2021)。またNOD2と酸性脂質膜および新規リガンドのヘパリンとの相互作用を見出し、NOD2の活性化に必要である可能性が示唆されている。今後はこれらの相互作用相手との複合体構造解析を実施する。
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