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2021 年度 実績報告書

Xkr8によるリン脂質スクランブル機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15731
研究機関大阪大学

研究代表者

櫻木 崇晴  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (10867906)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードスクランブラーゼ / 単粒子解析 / Xkr8 / Basigin
研究実績の概要

細胞膜を構成するリン脂質はその内層と外層で非対称的に分布している。例えば、ホスファチジルセリンは全て内層に局在するが、ホスファチジルコリンは主に外層に存在する。アポトーシス細胞ではこの非対称性が崩壊し、通常細胞膜の内層に存在するホスファチジルセリンが細胞表面に露出される。細胞表面に露出されたホスファチジルセリンは貪食細胞に対する‘eat me’シグナルとして働き、貪食を促進する。この過程には、リン脂質を区別無く双方向に輸送する膜タンパク質、スクランブラーゼの活性化が必要である。アポトーシス時に働くスクランブラーゼの実体としてXkr8/Basigin複合が同定されたが、この分子がどのようにリン脂質を認識し、輸送するのかは分かっていない。
前年度に、低温電子顕微鏡を用いた単粒子解析によってXkr8/Basigin複合体の定常状態の構造を3.8オングストロームの分解能で決定することに成功した。今年度は、その構造を基に変異体解析を行うことで、スクランブラーゼの作用機序の一端を明らかにした。具体的には、リン脂質の結合する疎水性の溝がリン脂質の出入口であること、Xkr8の膜貫通領域に階段状に並ぶ荷電アミノ酸が、リン脂質頭部が細胞膜を通過する際の通路を提供していることが示唆された。さらに、Xkr8に結合したリン脂質と、リン脂質の通路の細胞外側の端との間に存在するトリプトファンが、リン脂質のゲートキーパーとしてXkr8/Basigin複合体の活性を制御している可能性も示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The tertiary structure of the human Xkr8-Basigin complex that scrambles phospholipids at plasma membranes2021

    • 著者名/発表者名
      Sakuragi Takaharu、Kanai Ryuta、Tsutsumi Akihisa、Narita Hirotaka、Onishi Eriko、Nishino Kohei、Miyazaki Takuya、Baba Takeshi、Kosako Hidetaka、Nakagawa Atsushi、Kikkawa Masahide、Toyoshima Chikashi、Nagata Shigekazu
    • 雑誌名

      Nature Structural & Molecular Biology

      巻: 28 ページ: 825~834

    • DOI

      10.1038/s41594-021-00665-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The tertiary structure of the human Xkr8-Basigin complex that scrambles phospholipids at plasma membranes2021

    • 著者名/発表者名
      Sakuragi Takaharu、Kanai Ryuta、Tsutsumi Akihisa、Narita Hirotaka、Onishi Eriko、Nishino Kohei、Miyazaki Takuya、Baba Takeshi、Kosako Hidetaka、Nakagawa Atsushi、Kikkawa Masahide、Toyoshima Chikashi、Nagata Shigekazu
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [図書] 実験医学2022年3月号2022

    • 著者名/発表者名
      櫻木崇晴、長田重一
    • 総ページ数
      133
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      978-4-7581-2553-6
  • [備考] ヒトXkr8-Basigin複合体の立体構造解析

    • URL

      http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/20211012-1200.htm

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公開日: 2022-12-28  

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