繊毛は細胞の運動を駆動する細い毛のような構造である。繊毛内には9本のダブレット微小管が存在しており、モータータンパク質である軸糸ダイニンが周期的に結合している。軸糸ダイニンのうち外腕ダイニンは繊毛の運動を引き起こす主要なモーターである。外腕ダイニンは多くのサブユニットから構成されている複合体であるが、ダブレット微小管に結合した外腕ダイニンの構造の詳細はわかっていなかった。本研究では、クライオ電子顕微鏡法を用いてダブレット微小管に結合した外腕ダイニン複合体のサブユニット構造を明らかにした。さらに繊毛に組み込まれる前の不活性な外腕ダイニンの構造と比較することで、その活性化機構も明らかにした。
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