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2021 年度 実績報告書

ホスファチジルセリン脱炭酸酵素による生体膜リン脂質生合成機構の構造生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15734
研究機関山形大学

研究代表者

渡邊 康紀  山形大学, 理学部, 講師 (30772636)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードホスファチジルコリン / PmtA / X線結晶構造解析 / NMR
研究実績の概要

令和2年度までにホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成を担う大腸菌由来ホスファチジルセリン脱炭酸酵素の結晶構造を明らかにし,PE生合成のメカニズムを明らかにした。アグロバクテリウム等,一部の植物病原細菌ではPEからホスファチジルコリン(PC)が生合成される。PCを生合成できないアグロバクテリウムは,植物への感染能を失うことから,PCが植物への感染プロセスに重要な役割を担うと示唆されている。PEからPCの生合成はリン脂質メチル基転移酵素PmtAが担っているが,PmtAによる基質認識機構などPC生合成の詳細なメカニズムは明らかになっていない。そこで令和3年度は,構造生物学的手法を用いてPmtAによるPC生合成メカニズムの解明をめざした。アグロバクテリウム由来PmtAを大腸菌の系を用いて調製し,補酵素であるS-アデノシルホモシステイン(SAH)を混合することで結晶を得ることに成功した。SPring-8のBL32XUにて回折データを収集し,2.0 Å分解能で結晶構造を決定した。PmtAはロスマンフォールドを形成しており,そのフォールド中の溝にSAHが結合していた。NMR法を用いた滴定実験および結晶構造に基づいた変異実験からSAHの結合に重要なアミノ酸残基を同定した。また,基質であるPEのドッキングモデルを構築し,基質認識特異性に関与するアミノ酸残基を同定した。今回得られた知見はPmtAをターゲットとした植物病原細菌に対する新規農薬開発への応用が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Johns Hopkins University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Johns Hopkins University
  • [雑誌論文] Impaired phosphatidylethanolamine metabolism activates a reversible stress response that detects and resolves mutant mitochondrial precursors2021

    • 著者名/発表者名
      Sam Pingdewinde N.、Calzada Elizabeth、Acoba Michelle Grace、Zhao Tian、Watanabe Yasunori、Nejatfard Anahita、Trinidad Jonathan C.、Shutt Timothy E.、Neal Sonya E.、Claypool Steven M.
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 24 ページ: 102196~102196

    • DOI

      10.1016/j.isci.2021.102196

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ミトコンドリアにおけるホスファチジルエタノールアミン生合成機構の構造基盤2021

    • 著者名/発表者名
      渡邊康紀
    • 学会等名
      第20回日本ミトコンドリア学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] PE生合成を担うPS脱炭酸酵素の構造機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      渡邊康紀
    • 学会等名
      第63回日本脂質生化学会

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公開日: 2022-12-28  

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