生体膜を構成する主要リン脂質であるホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成に関わるホスファチジルセリン脱炭酸酵素(PSD)は酵素の発見以来50年近くその立体構造は明らかになっておらず、PE生合成の詳細なメカニズムは不明なままであった。本研究では大腸菌由来PSDの単体および基質結合型の立体構造をX線結晶構造解析法により明らかにすることに初めて成功した。決定した構造に基づいた変異解析により、基質認識に関与するアミノ酸残基の同定および膜への結合メカニズムを明らかになり、PSDによるPE生合成の構造基盤を解明することができた。
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