PLA2G6変異ショウジョウバエの脳脂質解析で明らかになったアシル基の異常をヒト由来サンプルで確認するために2020年度の前半で赤血球サンプルを取集を行った.健常コントロール,特発性パーキンソン病患者,PLA2G6変異患者の赤血球サンプルを回収した.赤血球脂質膜のリン脂質の変化をみるために,エレクトロスプレーイオン化質量分析器(ESI-MS)で解析を行った.特発性パーキンソン病群とPLA2G6変異患者群ではコントロール群と比較してアシル基の変化を認める一方で,極性基の変化はなく先行研究であるショウジョウバエモデルと同様の傾向を示すことが明らかになった.現在更にサンプル数を増やし,詳細なプロファイリングを継続中である.また同様の変化が患者由来iPS細胞で解析を今後行う予定である.さらにショウジョウバエモデルでリン脂質変化がα-シヌクレイン凝集に関わることが明らかになったが,細胞内での凝集過程でクリアランスに関わっているエクソソーム放出の異常の有無を培養細胞で進行中である..
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