研究課題
若手研究
TMCタンパク質は機械刺激感受性チャネルであり、複数の補助サブユニットと相互作用して有毛細胞のMETチャネル複合体を構成する。本研究では、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析により、TMCタンパク質のイオン透過機構・機械刺激によるチャネル開閉機構の解明を目指した。当初の計画から発展させて、METチャネル複合体の構成因子であるCIBタンパク質とTMCタンパク質の機能的複合体の構造解析を推進し、TMC-CIB複合体の調製に成功した。
構造生命科学
TMCタンパク質を含む複合体解析の基盤が整ったことで、イオン透過機構のみならず、補助サブユニットによるMETチャネル複合体の活性調節機構の理解にも繋がる点で学術的意義がある。今後、補助サブユニットも含めたMETチャネル複合体の構造機能研究へと展開していく。また、METチャネル複合体は聴覚に関わることから、本研究の成果と今後の展開は難聴の病態理解を深め、構造情報に基づいた薬剤開発の可能性を提供すると期待される。