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2021 年度 実施状況報告書

1分子レベルでのクロマチン構造の動的変化の解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K15760
研究機関東京電機大学

研究代表者

高橋 俊介  東京電機大学, 理工学部, 助教 (50778967)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード1分子イメージング / クロマチン / 蛍光顕微鏡 / DNA形態制御
研究実績の概要

クロマチンからなるDNAの高次構造は状況に応じて局所的に折り畳みや弛緩が生じ、遺伝子発現や染色体機能を制御している。これまでの研究ではクロマチン構造の動的な変化を捉えるための有用な解析技術が確立されていないのが実情である。このため、個々のヌクレオソームの位置や動体変化の過程やそれらがDNA複製などに与える影響を解析することが困難である。
この問題を解決するために、本研究では、1分子レベルでクロマチン構造の再構成実験系を開発する。2021年度では、1分子レベルでのクロマチン再構成の予備実験として、試験官内でのクロマチン構造の再構成を実施した。4種類のコアヒストンとクロマチン形成因子NAP-1やATP要求性クロマチンリモデリング因子を用いて、試験管内で超らせん状態下での環状DNAに対してクロマチン構造を再構成した。形成クロマチンは、ミクロコッカスヌクレアーゼによって切断した結果、ヌクレオソーム単位でのDNA断片化のバンドが得られた。以上のことから、試験官内でのクロマチン構造の再構成に成功した。また、1分子レベルでのDNA分子及びクロマチンの動的挙動を捉えるため、1分子イメージングに最適な独自顕微鏡システムを開発した。本顕微鏡装置は標的対象物に適合した検出システムへと改良することができ、1分子イメージングという特殊な系において最適である。開発した独自顕微鏡システムが安定的に首尾良く働くことを評価するため、マイクロ流体デバイス内でのラムダDNAの直接観察したところ、安定的にDNA1分子が直接観察された。以上から、1分子レベルでのクロマチン構造の動的挙動のイメージングの準備が整った。
最終年度では、1分子レベルでのクロマチン構造を再構成し、1分子イメージングを実施していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度では、1分子レベルでのクロマチン再構成の予備実験として、試験官内でのクロマチン構造の再構成を実施した。4種類のコアヒストンとクロマチン形成因子NAP-1やATP要求性クロマチンリモデリング因子を用いて、試験管内で超らせん状態下での環状DNAに対してクロマチン構造を再構成した。形成クロマチンは、ミクロコッカスヌクレアーゼによって切断した結果、ヌクレオソーム単位でのDNA断片化のバンドが得られた。以上のことから、試験官内でのクロマチン構造の再構成に成功した。また、1分子レベルでのDNA分子及びクロマチンの動的挙動を捉えるため、1分子イメージングに最適な独自顕微鏡システムを開発した。本顕微鏡装置は標的対象物に適合した検出システムへと改良することができ、1分子イメージングという特殊な系において最適である。開発した独自顕微鏡システムが安定的に首尾良く働くことを評価するため、マイクロ流体デバイス内でのラムダDNAの直接観察したところ、安定的にDNA1分子が直接観察された。以上から、1分子レベルでのクロマチン構造の動的挙動のイメージングの準備が整った。

今後の研究の推進方策

最終年度では、2021年度では1分子イメージングのための独自顕微鏡システムの開発を実施した。しかし、この実験系では、1分子イメージングでは背景光により対象物が観察できない問題が生じている。そこで、最終年度では、1分子イメージング顕微鏡装置に全反射照明ユニットを実装することで、この問題を解決する。また、2021年度で試験官内でのクロマチン構造の再構成実験によってクロマチン形成が得られたことから、これを1分子実験系に落とし込むことで、1分子レベルでのクロマチン構造の再構成を実施し、直接観察を行う。安定的に1分子レベルでのクロマチン構造の直接観察が実施できた後に、1分子レベルでのヌクレオソーム構造の動的挙動の観察をすることで、1分子レベルでのクロマチン構造の再構成系の開発を実施していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] DNA及びDNA代謝酵素の1分子イメージング技術の開発2021

    • 著者名/発表者名
      高橋俊介、大重真彦、桂進司、長原礼宗
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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