植物はDNA損傷を誘発するようなストレスから逃れることができないため、ゲノム安定性を維持する機構は重要であるが、植物ゲノムを損傷から守る恒常的な仕組みの理解は進んでいない。本研究では「植物ホルモンの一種であるオーキシンがクロマチン構造を制御することによりゲノム恒常性を維持する」という仮説を立て、その検証を行うことにより、ホルモンによるゲノム安定性制御という新たな概念を提示することを目標とした。本研究では、当初着目していたクロマチン制御因子と協調的に働くヒストン修飾因子の制御にオーキシンが関与することを見出し、オーキシンによりこの因子のタンパク質安定性が増すことを明らかにした。
|