生命に水は不可欠である。その一方で、ほぼ完全に脱水した状態で生命を維持できる生物種が存在する。この能力は乾燥耐性とよばれ、生体保存のよい手本であり、現在主流の凍結保存に取って代わる可能性が期待されている。本研究では、乾燥耐性をもつ微小生物クマムシにおける乾燥耐性の分子基盤の解明を目的としている。特に本研究では、脱水過程で生じる現象を定量化・可視化することに焦点を当てている。本研究では世界で初めて、外来遺伝子を導入したクマムシを作成する技術を構築し、GFPなどの蛍光タンパク質を用いてクマムシの細胞内で脱水過程にどのような現象が起きているのかを観察できるようになった。
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