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2020 年度 実施状況報告書

エンドソームの成熟を制御する新規メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15786
研究機関東北大学

研究代表者

松井 貴英  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (10827794)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードエンドソーム / リソソーム / Rab
研究実績の概要

エンドソームは細胞膜からのエンドサイトーシスにより生じる細胞小器官(オルガネラ)で、成熟することで最終的にリソソームへと変化する。エンドソームの成熟は、酵母からヒトまで全ての真核生物に保存された現象であり、共通のメカニズムにより制御されると考えられている。これまでエンドソームの成熟に必須と考えられていたが、その詳細な機能は不明であったMon1(Rab7の活性化因子)を欠損した哺乳類ノックアウト(KO)細胞を作製したところ、この細胞では予想外なことに、エンドソームの成熟が部分的に阻害されてはいるものの、正常な機能を持つリソソームが形成されることを見出した。そこで本研究では、Mon1がどのようにしてエンドソーム成熟を制御するのか、その詳細な分子機構を明らかにすることで、エンドソーム成熟、リソソーム形成の新規メカニズムの解明を目指している。
Mon1 KO細胞では野生型に比べ、巨大なエンドソーム、リソソームが観察され、その数も有意に減少することはすでに明らかにしている。今年度はさらに、Mon1 KO細胞の詳細な表現型解析を行った。その結果、Mon1欠損細胞では、下流因子であるRab7 KO細胞に比べ、顕著にエンドソーム成熟の遅延、リソソーム機能の悪化が観察された。この結果から、Mon1にはRab7の活性化因子以外の機能を持つことが強く示唆された。そこで次にMon1の上流で機能することが知られているRab5をMon1 KO細胞でノックダウンしたところ、Mon1 KO細胞で観察された巨大なエンドソーム、リソソームの形成、数の減少がレスキューされることがわかった。さらにMon1 KO細胞ではRab5が過剰に活性化状態にあることも発見した。
以上から、Mon1にはRab7活性化因子としての機能以外にも、未知のRab5の活性化状態をコントロールする機能があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までにMon1 KO細胞の詳細な表現型解析は終了しており、現在はMon1の新たな機能解明に取り組んでいる。当初の予定通り、Rab5の下流でMon1と協調して機能する新規因子の同定も成功しており、概ね順調に進んでいると判断できる。

今後の研究の推進方策

今後は同定したMon1と協調してエンドソーム成熟を制御する新規因子の機能解明に取り組むべく、この新規因子のKO細胞の作製とその表現型解析を行う。
また得られて結果をまとめ、学会発表、論文発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度はコロナウイルスの影響により、予定していた学会参加ができず、当初の予定通り予算執行できなかった。
次年度は当初の予定と合わせて、解析に必要な抗体、試薬をさらに追加購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ALIX and ceramide differentially control polarized small extracellular vesicle release from epithelial cells2021

    • 著者名/発表者名
      Matsui Takahide、Osaki Futaba、Hiragi Shu、Sakamaki Yuriko、Fukuda Mitsunori
    • 雑誌名

      EMBO reports

      巻: e51475 ページ: e51475

    • DOI

      10.15252/embr.202051475

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RBD11, a bioengineered Rab11-binding module for visualizing and analyzing endogenous Rab112021

    • 著者名/発表者名
      Osaki Futaba、Matsui Takahide、Hiragi Shu、Homma Yuta、Fukuda Mitsunori
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: jcs.257311 ページ: jcs.257311

    • DOI

      10.1242/jcs.257311

    • 査読あり
  • [学会発表] Mon1-Ccz1非依存的な新規エンドソーム成熟機構の発見2020

    • 著者名/発表者名
      平城柊、本間悠太、酒巻有里子、松井貴英、福田光則
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部 第86回例会

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公開日: 2021-12-27  

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