研究課題
若手研究
本研究では申請者が独自に同定したLY6Dによる老化細胞特異的な生存メカニズムを標的とした老化細胞除去法を開発することを目指し、正常細胞と老化細胞の共培養系において老化細胞選択的な細胞死誘導を検出するためのタイムラプス観察系を確立した。また、細胞外に存在するLY6Dが細胞内にシグナルを伝達する際に相互作用する膜貫通タンパク質としてIntegrin β1を同定し、Integrin β1阻害により老化細胞選択的な細胞死が誘導されることを明らかにした。
細胞生物学
本研究により老化細胞特異的に働く生存因子であるLY6DがIntegrin β1との相互作用を介して生存シグナルを細胞内に伝達することが明らかとなった。近年、生体内に蓄積した老化細胞を除去することにより個体の老化や老化関連疾患を緩和できることが示されてきているため、今後、LY6DやIntegrin β1の機能を阻害する低分子化合物や抗体を用いた老化関連疾患の治療法や予防法の開発が可能となることが期待される。