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2020 年度 実施状況報告書

時計遺伝子による新細胞間コミュニケーションの制御メカニズムと生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15792
研究機関広島大学

研究代表者

中里 亮太  広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (30761803)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード時計遺伝子 / 細胞外小胞 / 一次繊毛
研究実績の概要

本年度は時計遺伝子による一次繊毛・一次繊毛由来小胞への影響を検討するため、CRISPR/Cas9システムにより各種時計遺伝子(Bmal1, Cry1, Cry2)をノックアウトしたNIH3T3細胞の作製・及び解析を行った。
作製した時計遺伝子ノックアウトNIH3T3細胞の解析を行ったところ、野生型のNIH3T3細胞に比べ、Bmal1, Cry1, Cry2をそれぞれノックアウトした細胞では、一次繊毛の長さが増加する傾向が免疫染色により認められた。さらに、培養液中への一次繊毛由来小胞の放出量をWestern blottingにより検討を行ったところ、野生型に比べ、ノックアウト細胞では一次繊毛由来小胞放出の減少が認められた。
また、本年度は時計遺伝子による一次繊毛・一次繊毛由来小胞への影響を、ノックアウト細胞だけでなく、時計遺伝子の阻害剤として知られるSR9011(Rev-erbアゴニスト)を用いて検討を行った。免疫染色により一次繊毛の形態変化について解析を行ったところ、SR9011曝露細胞ではコントロールの細胞に比べ、一次繊毛の長さが著明に増加し、時計遺伝子ノックアウト細胞と同様な結果が観察された。
以上の結果から、時計遺伝子は一次繊毛・一次繊毛由来小胞放出に大きく影響を与えることが示唆された。本年度の成果は一次繊毛由来小胞の放出メカニズムを体内時計システムから解明するという本研究の目的達成に大きく貢献するものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は時計遺伝子のノックアウト細胞の作製が完了し、一次繊毛・一次繊毛由来小胞への影響も明らかにしていることから、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、本年度の研究成果により得られた時計遺伝子ノックアウト細胞を用いて、時計遺伝子による一次繊毛・一次繊毛由来小胞の制御メカニズムの部分を明らかにする。また、蛍光タンパク質を融合したArl13b(Arl13b-Venus)を発現する細胞を用いて、一次繊毛由来小胞の放出メカニズムとともに、一次繊毛由来小胞の機能解析も行っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度は参加予定であった学会がオンライン開催となったため、学会参加のための旅費を使用しなかった。一方、本研究で使用する各種遺伝子改変細胞の作製は試行錯誤のすえ行ったため、予定よりも試薬類の使用額が増加した。これらの理由により生じた次年度使用額は、翌年度分として請求した助成金と合わせ、可能であれば学会へより積極的に参加し、その旅費として使用するとともに、翌年度も遺伝子改変細胞の作製を行うため、それに必要な物品費として用いる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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