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2022 年度 実績報告書

ミトコンドリアタンパク質輸送における校正機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15794
研究機関九州大学

研究代表者

松本 俊介  九州大学, 農学研究院, 助教 (70704295)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMsp1 / タンパク質配送の校正 / GET経路 / 小胞体 / 前駆体タンパク質 / ミトコンドリア
研究実績の概要

本研究は,ミトコンドリア外膜に存在するAAA-ATPアーゼMsp1を介した誤配送タンパク質の配送やり直し(校正)の分子基盤を解明することを目的とした.本年度において申請者らは,ミトコンドリア外膜に誤配送されたテイルアンカー型(TA)タンパク質が,Msp1によって外膜から引き抜かれた後にGuided Entry of Tail-Anchored proteins(GET)経路を介して小胞体(ER)に移動する分子機構を明らかにした(Matsumoto, S., Ono, S., et al., J. Cell Biol., 2022).そして,申請者らは,クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって耐熱性酵母由来Msp1の可溶性領域の構造を2.8Å分解能で決定した.構造解析の結果からMsp1は,各サブユニットが右巻きのらせん階段状に集合したホモ六量体のリング構造となっていた.Msp1の各サブユニット間にはATPの結合が確認され,Msp1六量体のリング中心には基質を模倣したペプチドの結合が観察された.我々が明らかにしたMsp1の構造について,これまでに報告されている好熱性真菌とヒト由来のMsp1の構造と比較すると,リング中央の基質認識に関与するアミノ酸残基が同一でありながら,認識に関わるサブユニットが異なっていた.次に,申請者らは,ペルオキシソーム膜タンパク質(PMP)の誤局在がMsp1により校正されるのかどうか,解析を進めた。具体的には,オーキシン誘導型分解法によりPMP輸送因子Pex19を急速分解できる酵母株を作製し,ペルオキシソーム膜が維持された状態を保ちながら,いくつかのPMPを効率的にミトコンドリアに誤配送できるシステムを構築した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] テイルアンカー型膜タンパク質のオルガネラ局在化における配送校正機構2023

    • 著者名/発表者名
      松本俊介
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 95 ページ: 17-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proofreading of protein localization mediated by a mitochondrial AAA-ATPase Msp12022

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Shunsuke、Endo Toshiya
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: 173 ページ: 265~271

    • DOI

      10.1093/jb/mvac097

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 膜タンパク質の局在化における配送校正機構2022

    • 著者名/発表者名
      松本俊介
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 60 ページ: 496 - 498

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜タンパク質局在化における配送校正機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      松本俊介、小野鈴花、遠藤斗志也
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ミトコンドリア外膜に誤配送されたテイルアンカー型タンパク質の配送校正機構2022

    • 著者名/発表者名
      松本俊介、小野鈴花、遠藤斗志也
    • 学会等名
      第22回日本蛋白質科学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] テイルアンカー型タンパク質の局在化における配送校正機構の解析2022

    • 著者名/発表者名
      松本俊介
    • 学会等名
      令和4年度日本生化学会 九州支部例会(WEB開催)

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公開日: 2023-12-25  

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