スペルミジンは、モル質量が145の低分子化合物で、アミノ基を複数個有した脂肪族化合物であることから、ポリアミンに分類される。スペルミジンは細胞増殖や細胞分化、抗炎症、アン チエイジングなど、様々な作用が報告されている。また、ゼブラフィッシュにおいてスペルミジンは、体表模様形成に関与し、黒色素細胞のスペルミジンが減少すると体表模様に変化が生じる。しかし、スペルミジンがゼブラフィッシュの体表模様を制御する分子メカニズムの詳細については明らかにされていない。 Cx39.4はゼブラフィッシュの体表模様に関与し、かつ黒色素細胞で発現することが必要なギャップジャンクションタンパク質である。本年度は、Cx39.4とスペルミジンが結合することにより体表模様形成を制御するのか検証した。遺伝子組換えゼブラフィッシュを用いた体表模様の観察から、Cx39.4のN末端領域とスペルミジンが相互作用することが示唆された。そこで、Cx39.4のN末端のペプチドとスペルミジンが実際に結合するのか、等温滴定カロリメトリー を用いて結合実験を行った。
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