始原生殖細胞は生殖細胞(精子や卵など)の元となる細胞である。始原生殖細胞は形成後、遺伝情報を保持するために大規模な転写抑制状態が保たれている。特に線虫C. elegansでは、転写抑制制御に伴って高密度に凝集した染色体構造が形成される。 本研究では、この構造の形成に不可欠なクロモドメイン蛋白質MRG-1と協調的に機能する因子として、ヒストンアセチル化酵素CBP-1、ジンクフィンガー蛋白質ZFP-1を同定した。 また、MRG-1を介したクロマチン制御が体細胞においても重要であり、MRG-1の欠失が転写因子DAF-16を起点としたストレス応答反応を引き起こすことを明らかにした。
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