研究課題/領域番号 |
20K15833
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
相澤 清香 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (90754375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 摂食 / 肥満 / 代謝 / 概日リズム |
研究実績の概要 |
多くの動物は摂食に概日リズムを備えているが,そのリズム形成機構の実態は不明な点が多い。申請者は以前に,摂食抑制作用をもつホルモンであるニューロメジンU(NMU)の発現が,脳下垂体隆起部において高発現し,概日リズムを示すことを明らかした。さらにNMU mRNA発現の制御には,暗期に松果体より分泌されるメラトニンが関与していることも明らかとなった。ラットは夜行性動物であり,ラットの摂食量が少ない明期にNMUの発現が高く,摂食量が多い暗期に発現が低かったことから,摂食の概日リズム形成と摂食抑制ホルモンNMUとの関連性が考えられた。そこで本研究では,摂食リズム形成に摂食抑制ホルモンNMUがどのように関わるか,特に摂食制御中枢への作用はあるのかを明らかにする。 初年度は,CRISPR/Cas9法とラット輸卵管エレクトロポレーション法を用いて,NMU遺伝子を欠損させたNMU KOラットを作製した。その後,ヘテロ接合型同士の交配を行い,実験に使用する野生型ラットとNMU KOラットを作出した。産仔数の割合はメンデルの法則に従っており,NMU KOラットが致死ではないことが示された。NMU欠損による摂食への影響の解析としてNMU KOラットと野生型ラットの摂食量と摂食リズムを12h明期12h暗期の光環境飼育で測定した。まずは,明期,暗期それぞれの摂食量から明期/暗期の比を算出して摂食リズムの乱れを判定した。その結果は,先行研究および我々の予想に反しており,測定したいずれの週齢においても,野生型ラットとNMU KOラットで1日の摂食量に違いはみられず,また明期,暗期のそれぞれの摂食量にも違いは見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度において本研究で用いるNMU欠損ラットを作製およびその繁殖を順調に進めており,研究課題であるNMU欠損による摂食量への影響の解析を実施できたため,進捗状況は順調と言える。NMUは脳内で摂食抑制作用を持つことが知られており,またNMU欠損マウスが,顕著な摂食量の増加および肥満を示すことも報告されている。これらの先行研究に対して,しかしながら,我々の結果は異なっていた摂食量の測定は,離乳時である生後4週齢から,24週齢まで長期にわたり継時的測定した。個体差があるものの,個体数を多くとり統計学的に解析したところ,いずれの週齢においてもNMU欠損ラットと同腹仔の野生型ラットの間で摂食量に有意な違いは見られなかった。しかしながら,今後は引き続きより詳細な解析を行う必要があると考えている。たとえば,摂食量に違いはみられなかったが,NMU欠損により,代謝に影響が現れ,その結果として肥満度等に影響が見られる可能性は考えられる。そのため,当初の研究計画のとおり,次年度は引き続き,NMU欠損による代謝や肥満度への影響を解析する予定である。また,遺伝子改変動物を用いた研究ではオフターゲットの効果の可能性を考慮する必要があり。そこで次年度は,これまでと同様に,CRISPR/Cas9法とrat genome-editing via Oviductal Nucleic Acid Delivery法をもちいて,NMU遺伝子の異なる領域をターゲットにNMU欠損ラットを作成し,今年度と同様に,NMU欠損による摂食量への影響の検討を行う予定である。肥満度への影響を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
しかしながら,今後は引き続きより詳細な解析を行う必要があると考えている。たとえば,摂食量に違いはみられなかったが,NMU欠損により,代謝に影響が現れ,その結果として肥満度等に影響が見られる可能性は考えられる。そのため,当初の研究計画のとおり,次年度は引き続き,NMU欠損による代謝や肥満度への影響を解析する予定である。また,遺伝子改変動物を用いた研究ではオフターゲットの効果の可能性を考慮する必要があり。そこで次年度は,これまでと同様に,CRISPR/Cas9法とrat genome-editing via Oviductal Nucleic Acid Delivery法をもちいて,NMU遺伝子の異なる領域をターゲットにNMU欠損ラットを作成し,今年度と同様に,NMU欠損による摂食量への影響の検討を行う予定である。肥満度への影響を検討する予定である。
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