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2022 年度 研究成果報告書

環境適応的な食性の変化による休眠制御機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 20K15846
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

原 佑介  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所 神戸フロンティア研究センター, 主任研究員 (20749064)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脂肪酸 / インスリン / 生殖 / 休眠 / 順化 / ショウジョウバエ
研究成果の概要

キイロショウジョウバエの成虫雌が示す温度依存的な脂質選好性の変化が、本種の卵巣休眠とそれを制御する脳内中枢ニューロン、IPCの機能にどのような変化をもたらすのかを解析した。不飽和脂肪酸を多く含む餌で飼育した成虫雌では、卵巣発育が抑制された。また、この条件で飼育した成虫雌のIPCでは、通常の餌での飼育時に観察される興奮性の寒冷応答が抑制された。この抑制には特定の脂肪酸が関与していた。また、不飽和脂肪酸摂取時にIPCにおいて発現変動する遺伝子が複数同定された。これらの結果から、脂質選好性の変化はIPCの電気的特性と遺伝子発現を劇的に変化させ、生殖機能の制御に作用するものと考えられる。

自由記述の分野

神経生理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究成果により、餌として食べた脂肪酸が、特定の中枢ニューロン(IPC)をターゲットとすることで、内分泌ネットワークと神経ネットワークの機能を一気に切り替え、個体丸ごとの代謝と行動の適応的変化とを惹き起こすという、ホメオスタシス制御の新しいフレームワークが見えてきた。IPCは哺乳類の膵β細胞や視床下部ニューロンとの機能的類似性が示唆されていることから、本成果は我々ヒトを含む多様な生物の適応機構を模索する上でも重要な知的基盤となり得る。

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公開日: 2024-01-30  

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