研究課題/領域番号 |
20K15859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
望月 昂 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80822775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 送粉生態学 / 植物学 / 化学生態学 / 送粉シンドローム / 双翅目昆虫 / ハエ / カモメヅル / ニシキギ |
研究成果の概要 |
本研究は、これまで一概に「ハエ」ととらえられてきた双翅目昆虫が、植物の花の適応に及ぼす影響について明らかにすべく、研究を行った。ニシキギ属、カモメヅル属植物などを対象に調査を行ったところ、ヌカカ科、タマバエ科、キノコバエ科、キモグリバエ科といった、異なる科の双翅目によってのみ送粉される植物が見出された。これらの植物について、花の匂いを調べたところ、送粉者タイプによって、花の匂いの成分が大きく異なることが明らかになった。このことは、植物が、双翅目の各グループに対し、独自の適応を遂げている可能性を示唆している。
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自由記述の分野 |
送粉生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
被子植物の花の多様性は、生物多様性を象徴する現象の一つである。大多数が動物に送粉される被子植物においては、送粉者との相互作用が花の進化に重要な役割を果たすとされてきたが、具体的な研究は、ハチや鳥、チョウなど、大型の送粉動物に限られてきた。双翅目昆虫は、ハナバチに次いで多くの植物の受粉を行うことが予測されているものの、植物との進化的関係性はほとんど理解されていないのが現状である。本研究からは、これまで「ハエ」と一括りにされがちであった双翅目昆虫が、植物の花の多様化をもたらしたことを示唆する、新しい知見が得られた。
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