植物の生活史において開花・結実は最重要イベントである。そのため、花成時期は分類学・生態学の双方に重要な形質となる。花成時期の決定要因に概日時計を基盤とした日長計測による光周性がある。多くの分類群で、長日性(春咲き)・短日性(秋咲き)が見られるが、日長応答の多様化プロセスは不明である。本研究では、古くから光周性の解析に用いられてきたアオウキクサ属のイボウキクサ(長日)・アオウキクサ(短日)という近縁の2種を用いた。花成ホルモンであるFT遺伝子において長日誘導型と短日誘導型の2種類のホモログの使い分けと、短日誘導性FTの変異から光周性の多様化を理解できる見通しがった。
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