本研究では甲虫の硬さが天敵を回避する上で有効かを調べた。まず、コガネムシ科9種において硬さの比較を行った。破断試験と引張試験を行った結果、ハナムグリ類は他のコガネムシに比べて硬い体を持つことが分かった。つぎに、室内でウズラを用いて捕食実験を行った。その結果、硬い種であるハナムグリ類は嘴でつつかれた場合も致命傷を負うことが少なかった。続いて野鳥(ムクドリとスズメ)を用いて捕食実験を行ったが、ハナムグリ類は無視されることが多かった。以上の結果から、ハナムグリ類の硬い体は鳥類からの捕食回避に有効であることが示された。
|