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2020 年度 実施状況報告書

ミラーシステムの活動強化による観察学習促進効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K15887
研究機関九州大学

研究代表者

池田 悠稀  九州大学, 芸術工学研究院, 学術研究員 (60868800)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードミラーシステム / 観察学習 / 脳波
研究実績の概要

本研究の目的は、動作の観察と実行を繰り返す観察学習を行う際のミラーシステムの活動変化を調べ、ミラーシステムと動作習熟の関係について明らかにすることである。今年度は実験に使用する動作や動作観察の回数を検討するために、3名の被験者を対象とした予備実験を実施した。実験では、タブレットPCとスタイラスペンを使用して、文字を模した図形を書く動作を練習することとした。初めに練習動作についての説明を受けた後に、動作の練習を行った。続けて、練習動作を素早く行う動作を記録した動画を観察し、その際の脳波を記録した。その後、約2分の短い動作練習と、約9分の動作観察を7回繰り返し、動作の練習が進むにつれて観察時のミラーシステムの活動がどのように変化するかを調べた。動作観察時の脳波からは、ミラーシステムの活動指標となるμ波抑制を算出した。その結果、先行研究に一致して、動作の習熟に伴いμ波抑制が小さくなる傾向にあることを確認した。一方で、動作の習熟に関しては書字に近い動作であったことから、動作遂行時間等の行動指標に天井効果が見られた。ミラーシステムの活動と動作習熟の関連を調べるための動作については、再検討をすることとした。また、動作観察を行う際の視点についても、一人称視点と三人称視点の両方を観察させ、動作の習熟に伴うミラーシステムの活動の変化傾向に違いがみられるかを検討した。その結果、視点方向による影響は見られなかった。以上より、実験プロトコルの見直しを行い、次年度より本実験を行うことを予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は動作のみの訓練を行う群と、動作訓練の合間に動作観察を行う観察訓練群の実験を行う予定であったが、COVID19感染拡大対策に伴う実験の制限によって、被験者を募集して実験を行うことはできなかった。予備実験によって、本実験を行うにあたり必要な検討は行うことができたが、全体の進捗としては遅れていると判断する。

今後の研究の推進方策

今後は令和2年度に実施する予定だった本実験の開始準備を行う。令和3年度は研究機関の変更を行ったが、脳波の計測機器等、本研究の遂行に必要な環境は整っている。ただし、現所属の研究機関で実施可能かつ研究の主目的を達成できるよう、被験者人数など実験デザインを再度検討する必要がある。また、COVID19の感染予防対策を十分に行った上で実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は予備実験のみの実施となったため、実験に必要な物品等は研究機関所有のもので代用することができた。次年度以降の実験準備に伴い、適宜物品購入をしていく予定である。
また、学会がオンライン開催となったことで、旅費の使用も最小限にとどまり、次年度以降に使用することとした。
人件費や謝金も本実験の実施を想定していたものであったため、次年度以降の実験で使用することとした。
その他の細目についても、論文投稿費や英文校正等に使用する予定であったため、次年度に繰り越すこととした。

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公開日: 2021-12-27  

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