研究課題/領域番号 |
20K15888
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
水上 諭 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20814502)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨量減少 / サルコペニア / 体組成 / 身体機能 |
研究実績の概要 |
長崎県在住高齢者94名(男性27名、平均年齢73.9±6.3歳、女性67名、平均年齢76.2±6.6歳)を対象に骨健康指標、体組成、身体機能のデータを収集した。 骨健康指標として、2波検出型超音波骨密度計LD-100(応用電機株式会社)を使用し、海綿骨密度・皮質骨厚・海綿骨弾性定数を計測した。骨量減少(海綿骨密度のYoung Adult Mean (YAM)<80%)を有している者は男性17名(63.0%)、女性62名(92.5%)であった。皮質骨厚の平均は男性4.3±0.9mm、女性2.4±0.7mmであった。海綿骨弾性定数の平均は男性3.1±0.5、女性2.6±0.2であった。 体組成は、Inbody430を用い、筋肉量を測定した。四肢筋肉量を身長の2乗で除し、Appendicular Muscle Mass Index (AMI)を算出した。AMIの平均は男性7.5±0.8 kg/m2、女性6.0±0.6 kg/m2であった。 身体機能は握力、10m歩行時間、椅子立ち上がり時間を測定した。10m歩行時間から歩行スピードを算出した。握力の平均は男性33.4±5.8kg、女性20.2±4.1kgであった。歩行スピードの平均は男性1.2±0.2m/秒、女性1.2±0.3m/秒であった。椅子立ち上がり時間の平均は男性7.9±2.6秒、女性8.9±3.5秒であった。 Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS2019)によるアジア集団のサルコペニア診断基準より低筋量(AMIが男性7.0kg/m2未満、女性5.7kg/m2未満)で低筋力(握力が男性28kg未満、女性18kg未満)または低身体機能(歩行速度が毎秒1.0m未満、または椅子立ち上がり時間が12秒以上)の場合をサルコペニアとした。本研究においてサルコペニアと診断された者は13名(男性2名、女性11名)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、R3年度までに地域在住高齢者200名の骨健康指標、体組成、身体機能のデータを収集する予定であった。しかし、R2年より新型コロナウィルスの大流行を受け、密集・密接・密閉の3密回避運動の広まりや、人が集まる場所に行くことを避ける生活様式が定着した。そのため、機器のレンタル期間内の計画通りのデータ収集が困難であり、当初の約半数のデータ収集となった。
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今後の研究の推進方策 |
機器のレンタル期間が終了したため、今年度中に収集できたデータを用い、地域在住高齢者における骨量減少とサルコペニアとの関連を生活習慣を調整し、統計学的に検討する。研究成果は日本生理人類学会をはじめ、各種学会で発表し、論文投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
R3年度は新型コロナウイルスの影響で現地参加予定であった学会は中止あるいはオンライン開催となったため次年度使用額が生じた。R4年度は学会発表ならびに論文投稿等に費用が必要である。
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