研究課題
骨強度は70 %の骨密度と30 %の骨質より説明できる。LD-100は超音波を照射した際に生じる二波(高速波と低速波)を分けて検出することで海綿骨骨密度と皮質骨厚を測定することが可能で、pQCTと高い相関が報告されている。そこで本研究はLD-100にて測定した海綿骨骨密度・皮質骨厚と身体機能との関連を調査した。2021年5月から2022年4月に整形外科外来を受診した40歳以上の女性80名を対象とした。アンケートにて喫煙習慣、飲酒習慣、併存疾患の有無を調査した。二波検出型超音波測定法LD-100 (OYO ELECTRIC CO.)を用いて海綿骨骨密度、皮質骨厚を測定した。海綿骨骨密度、皮質骨厚のYAM (Young Adult Mean)が80%未満を海綿骨骨密度低下、皮質骨厚低下と定義した。身体機能は握力、10m歩行速度、椅子立ち上がり時間、FRT (Functional Reach Test)を測定した。海綿骨骨密度低下は65名 (81.3%)、皮質骨厚低は60名(75.0%)であった。海綿骨骨密度低下群は年齢が有意に高く、椅子立ち上がり時間が有意に長く、FRTが有意に短く、併存疾患ありの割合が有意に高かった。一方、皮質骨厚低下群は正常群と比較して各身体機能ともに有意差はみられなかった。海綿骨骨密度低下を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果、年齢、BMI、飲酒習慣、併存疾患の有無を調整後も、FRTのオッズ比は1.14(95%信頼区間:1.01-1.27)で、FRTが短いことは海綿骨骨密度低下と有意に関連していた。しかし、椅子立ち上がり時間は海綿骨骨密度低下との関連はみられなかった(オッズ比:1.18、95%信頼区間:0.88-1.58)。中高年女性において、FRTが短いことは海綿骨骨密度低下と有意に関連していた。
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PLoS One
巻: 19 ページ: e0296457
10.1371/journal.pone.0296457