研究課題/領域番号 |
20K15889
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石井 名実子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 法医学 / 年齢推定 |
研究実績の概要 |
CTを応用した上腕骨骨頭部の骨髄腔の高さの観察による年齢推定法の検討のため、国際医療福祉大学医学部法医学及び千葉大学大学院医学研究院法医学教室において、年齢・性別既知の法医解剖遺体に対しMultidetector computed tomography(MDCT)を用いて死後CT撮影を実施した。先行研究として、上腕骨の骨頭部に金属片が埋入する場合及び上腕骨の骨病変・骨折・損傷がある事例を除き、骨髄腔及び骨端線の観察が可能な事例をランダムに数事例選択し、CT画像を抽出した。これらのCT画像に対し、画像処理ソフトであるワークステーション(Synapse Vincent)を利用して、2D・3D画像にて上腕骨の骨頭部を抽出し、骨端線及び骨髄腔が明瞭に観察可能な断面画像作成のためのランドマークを選定するとともに、上腕骨近位端である上腕骨頭部を上面から観察し、上顎骨頭の垂直鋸断面像の作成方法の検討を実施した。なお、条件検討に先立ってCTを利用した上腕骨骨頭内部の観察方法等に関する論文の検索を行った。しかし、作成した上腕骨の骨頭の垂直据断画像においては骨端線が不明瞭であり観察が難しい事例もあり、さらなる条件検討が必要であることが明らかとなった。 また、従来の肉眼的な上腕骨の骨頭部における骨髄腔・骨端線の観察方法と本研究で実施するCTを応用した評価方法を比較することを目的とし、実際に従来法と同様に上腕骨骨頭部を抽出し垂直に据断した4事例に対し、骨髄腔及び骨端線の観察を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は緊急事態宣言を含む昨今の社会情勢において、テレワーク中に論文検索等を実施していたが、実際にCTを使用し、条件検討・計測するといった作業に支障が生じ、本研究における進行が遅延してしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度で実施した先行研究に引き続き、CT画像上における上腕骨の骨頭部の垂直据断方法について検討を行う。さらに10代~90歳代まで男女別に上腕骨の骨頭部を観察する事例を抽出し、CT画像上において上腕骨頭内部を詳細に観察可能な再構成画像を作成し、2人の検査者により評価を行う。さらにその結果に対し統計を用いて年齢推定への応用を検討し、学会にて発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
社会情勢により、開催された学会がオンラインであったため旅費が必要ではなくなったため、次年度の学会参加で使用する予定である。
|