マウスを用いた研究から、脳梗塞3時間後、脳の水チャネル分子であるアクアポリン4が血管内皮から細胞体へ移行する様子(非局在化)を観察した。一方、アドレナリン受容体を阻害した場合は、非局在化はみられなかった。さらに、脳表に直接、アドレナリン受容体を作動する薬を添加することによって、3時間後に有意なアクアポリン4の非局在化を引き起こした。この際、脳の炎症性マーカーであるグリア線維性酸性タンパク質には顕著な変化は生じなかったが、ミクログリアのマーカーであるIba-1の発現が亢進し、ミクログリアの形態も顕著に変化した。この結果は、脳梗塞後のAQP4の非局在化にミクログリアが関与する可能性を示唆している。
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