分娩は胎盤,胎児を含む子宮の内分泌系と母体の脳神経系との協調的なネットワークによって制御されているが,周産期の母体の神経回路における変化の動態やその機能解析に踏み込んでいる研究はまだ少ないのが現状である.本申請では,出産に伴う神経回路の変化をトランスシナプス標識によって調べ,その神経細胞種の特定を行った.また,出産や授乳時の神経細胞の活性化パターンをファイバーフォトメトリーによって測定した.最後に薬理遺伝学によってターゲットとなる神経細胞の活性を変化させることにより,授乳の人為的なコントロールを目指した.
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