我々の中枢神経系は神経幹細胞由来のニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトだけでなく、造血幹細胞由来のミクログリアとも相互作用することで複雑なネットワークを形成し、高度な機能を可能にしている。近年これらの脳に常在する細胞だけでなくB細胞やT細胞といった末梢から侵入する細胞も脳発生・機能に影響することが明らかになりつつある。本研究により従来免疫細胞のみが発現すると考えられてきた免疫グロブリン(Ig)のmRNAが神経細胞において発現すること、また母由来Igが脳実質の細胞に特異的に取り込まれておりその受容体が脳に発現することが明らかになった。
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