概日時計中枢によって制御される生理リズムの中でも特に、睡眠リズムと体温リズムを生み出す出力経路を同定し、その機能を明らかにすることを目的とした。視索前野へ投射する神経群を特異的に阻害したところ、マウスの睡眠覚醒リズムが消失することを見出した。興味深いことに、このマウスにおいて、輪回し行動リズムは観察された。つまり、睡眠リズムと輪回し行動のようなアクティブな行動リズムは異なる神経回路で制御されると考えられた。さらに同じマウスにおいて睡眠リズムがなくても時計タンパク質の発現リズム、つまり発振系に影響はなかったことから、概日時計の睡眠覚醒リズム出力経路を特異的に同定することができたと考えられる。
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