大脳皮質と大脳基底核の相互作用は、運動制御の基本的なプロセスの一部であると広く認識されているが、その詳細なメカニズムはまだ完全には解明されていない。本研究は、回路レベルでの詳細な研究が可能なマウスでこれら脳領域間の相互作用を調べる新たなる実験系を構築したものであり、今後、運動開始におけるその役割についてさらなる知見の発見が期待される。また、本研究は運動制御に関連する神経疾患の理解を深めることに役立つ可能性が考えられる。特に、パーキンソン病や運動失調症など、大脳基底核の異常が関与していると考えられる疾患の理解と治療法の開発に対する影響は大きいと期待される。
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