研究課題/領域番号 |
20K15933
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
栗原 伴佳 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (10793242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 機械的血栓回収療法 / 数値流体力学 / 側副血行路 / バルーン閉塞試験 / もやもや病 / 血行再建術 / 血流シュミレーション / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
バルーン閉塞試験に対する数値流体力学解析は複雑であるため、前段階として、23 例 30 側のもやもや病に対する血行再建術後症例において、CTA 画像におけるドナー血管の数値流体力学解析結果と、CT perfusion で評価した術前後の血流変化との相関を検討した。ドナー血管の予測流量と術前後の血流変化との相関を認めた。もやもや病に対する血行再建術後の血流変化に関しては、これまでレシピエント側の状態にしか注目されていなかった。本報告の結果は、 レシピエント側のみならず、ドナー側の解剖学的情報の術後血流変化への影響を示唆するものである。 また、仮想血管閉塞モデルを用いた非侵襲的側副血行路の評価法を開発すべく、21 例のバルーン閉塞試験施行症例において、CTA 画像を元に数値流体力学解析を施行し、バルーン閉塞試験の結果と数値流体力学解析の結果との相関を検討した。CTA 画像を元に施行した数値流体力学解析における閉塞側中大脳動脈の予測流量及び壁せん断応力と、バルーン閉塞試験中に施行した血管撮影初見、スタンププレッシャー、CT perfusion の各種パラメーターとの相関を認めた。本結果は、 数値流体力学解析によりバルーン閉塞試験を施行することなく、非侵襲的に側副血行路の評価が可能であることを示唆するものである。また、当該年度は、これらの結果を実際の臨床と照らし合わせる目的で、急性期脳主幹動脈閉塞の治療成績に関して検討した。機械的血栓回収療法の治療成績を後方循環と前方循環閉塞症で比較した全353例の検討においては、同様の予後良好、再開通率が得られることが示唆された。全322例を対象とした機械的血栓回収療法における動脈硬化性病変のリスク因子の検討では、併存疾患及び頭部MRAにおける他血管の狭窄性変化が予測に重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の目標1及び目標2について、前述したようにまとめており、論文発表済みである。 目標1:もやもや病に対する血行再建術施行患者において、術前検査におけるドナー血管に対する数値流体力学解析結果と、術前後の脳血流変化との相関を検討し、数値流体力学解析による血流シミュレーションの妥当性を評価する。目標2:バルーン閉塞試験患者において、CTA 画像を元に施行した数値流体力学解析における閉塞側中大脳動脈の流速及び壁せん断応力と、バルーン閉塞試験中に施行した血管撮影初見、スタンププレッシャー、CT perfusion の各種パラメーターとの相関を検討した。 目標3について検討を行う予定であったが、その前段階として実際の脳主幹動脈閉塞症患者の臨床的特徴に関して目標4及び目標5として論文発表を行った。 目標3:数値流体力学解析より得られた結果と、実際の血管モデルを用いた結果との比較を行う。目標4:急性期脳主幹動脈閉塞症における前方循環と後方循環の臨床的違いを検討。目標5:急性期脳主幹動脈閉塞症における動脈硬化性病変の予測因子を検討。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、目標3について検討を行う必要がある。 目標3:数値流体力学解析より得られた結果と、実際の血管モデルを用いた結果との比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表旅費などに使用予定であったが、コロナ禍のためほとんどがWeb開催であったことから次年度に持ち越す形となった。次年度は学会、旅費などに使用予定である。
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