核酸医薬など新規モダリティに対するがん治療ドラッグデリバリーシステム(DDS)として、生体内安定性と標的組織、細胞内への送達を共に可能とする戦略が重要である。リン脂質を用いたナノ粒子の開発が進められており、体内動態および細胞内動態を精密に制御可能な設計が求められている。本研究では、新規の非ラメラ液晶形成脂質とラメラ形成脂質を組み合わせたナノ粒子を構築した。本ナノ粒子は、温度変化による膜流動性の向上により細胞膜との相互作用を促進し、内封薬物の細胞内への高い送達が認められた。また、外部刺激として980 nmレーザーによる担癌マウスの腫瘍部位の加温により、腫瘍成長抑制効果が認められた。
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