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2022 年度 実績報告書

タンパク質表面の隠れたドラッガブルポケットを同定するための新規計算機手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K15974
研究機関北里大学

研究代表者

小澤 新一郎  北里大学, 薬学部, 助教 (20724868)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードインシリコ創薬 / フラグメントベース創薬 / フラグメントマッピング / バーチャルスクリーニング / ポケット構造予測 / cryptic pocket
研究実績の概要

インシリコ・フラグメントマッピング法では、既知のサブポケット-フラグメント結合様式に基づいて標的タンパク質上の新規サブポケットを同定する。そのため、通常は構造上すでに見えているサブポケットしか同定できないが、検索条件次第では既知サブポケットと残基組成/配置は類似しているが明確なポケット構造を形成していない部位も同定される。本研究では、それら領域がリガンド結合時にはじめて形成される過渡的なリガンド結合ポケット(cryptic pocket)に対応すると考え、創薬への応用を試みた。
はじめに、リガンドとの複合体構造が報告されている複数の標的タンパク質のリガンド非結合型構造に対してインシリコ・フラグメントマッピングを行った。得られたフラグメントを複合体構造中のリガンド部分構造と比較したところ、リガンド非結合型構造では明確なポケット構造を形成していない領域においても類似したフラグメントがマッピングされていた。したがって、本手法を用いることでcryptic pocket位置を同定できると結論した。次に、リガンド非結合型構造においてフラグメント初期座標に拘束をかけた条件でエネルギー極小化計算を行うことにより、複合体構造と類似したポケット構造を構築できた。最後に、STAT3、DPP8などいくつかの標的タンパク質に対して本手法を適用後、バーチャルスクリーニングによって阻害活性を有する化合物を同定することに成功した。これは、実際の創薬における本手法の有効性を示している。
一方で、cryptic pocketを同定するためのフラグメントマッピング計算条件やポケット構築のためのエネルギー計算条件などは標的タンパク質ごとに異なっており、標的ごとに試行錯誤が必要なのが現状である。今後はより多くの標的タンパク質に対して本手法を適用し、標的やリガンド結合部位の種類ごとに適したプロトコルの確立を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The Stat3 inhibitor F0648-0027 is a potential therapeutic against rheumatoid arthritis2022

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Yosuke、Ozawa Shin-ichiro、Sato Yuiko、Kobayashi Tami、Matsumoto Tatsuaki、Miyamoto Kana、Kobayashi Shu、Harato Kengo、Hirono Shuichi、Matsumoto Morio、Nakamura Masaya、Niki Yasuo、Miyamoto Takeshi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 636 ページ: 133~140

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.10.106

    • 査読あり
  • [学会発表] インシリコ・フラグメントマッピング法によるDPP8阻害剤の探索2023

    • 著者名/発表者名
      小澤 新一郎、彌田 桃香、佐々木 瑠梨、田中 信忠
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] DPP8阻害剤のフラグメントベースバーチャルスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      小澤 新一郎、彌田 桃香、佐々木 瑠梨、田中 信忠
    • 学会等名
      第50回構造活性相関シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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