研究課題/領域番号 |
20K15976
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大塚 裕太 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 助教 (10822520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 共結晶 / 医薬品情報 / ケモメトリックス / 共アモルファス / 深共晶 |
研究実績の概要 |
ピロキシカム(PX)とサッカリン(SA)の混合物に対する乾式および湿式のメカノケミカル合成の影響を調査した。この目的のために、3つの溶媒を使用した湿式メカノケミカルプロセスとドライメカノケミカル合成によって調製されたPXおよびSA混合物を、中赤外および近赤外分光法、粉末X線回折、および示差走査熱量測定によって評価しました。ウェットタイプの製品の混合物は、PX / SA 1:1共結晶に変換されました。溶媒の効果は、PXとSAの共結晶化の鍵でした。乾式プロセスからの生成物はアモルファス相に変換された。アモルファス混合物のサンプルでは、熱分析で結晶化による2つの発熱ピークが観察されました。バルクPXは、変換のために同じ回数粉砕されましたが、アモルファスバルクへの変換に成功しませんでした。 SAについても同じことが観察されました。 PXとSAの相互存在が相互アモルファス化を促進することが示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の応用的な内容である,非ステロイド性消炎鎮痛剤と添加物との共結晶化および共アモルファス化に関する結果を発表する。 一方で,既に得た共結晶合成の方法を改良し,より適応範囲を広げることができるようになった。現在,他の非ステロイド性消炎鎮痛剤での応用を考えている。私たちの取っている研究手法では,具体的な製剤の応用面から研究が加速されるため,順調であるといえる。 また広報活動として,Journal of Pharmaceutical Sciencesへの投稿で原著論文として発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策としては,非ステロイド性消炎鎮痛剤の各種主薬に応用することである。これらの共アモルファス化によって水溶性の向上およびBCSクラス改善を目指す。特定の医薬品分子が共結晶化・または共アモルファス化が可能であるかどうか,良好な組み合わせについては未解明な点がまだまだ多いが,in silicoスクリーニング法を検討している。本報告者のこれまでの研究成果と情報工学と医薬品結晶の専門的見識に基づく,幅広い医薬品分子に応用できる深共晶、共結晶化および共アモルファスのスクリーニング法の可能性を追求していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が出てしまった。
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