研究課題/領域番号 |
20K15976
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大塚 裕太 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 助教 (10822520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 共結晶 / アモルファス / ケモメトリックス |
研究実績の概要 |
エテンザミド(EZ)とサッカリン(SA)の混合物に対する乾式のメカノケミカル合成の影響を調査した。この目的のために、乾式メカノケミカル合成によって調製されたEZおよびSA混合物を、中赤外および近赤外分光法、粉末X線回折、および示差走査熱量測定によって評価した。乾式プロセスからの生成物は共結晶formIIに変換された。共結晶のサンプルの熱分析では、共結晶由来の単一のピークが観察され、混合物とは異なることを示した。バルクEZは、変換のために同じ時間で粉砕されたが、アモルファスへの転移はしなかった。 SAについても同じことが観察されました。経時的に測定したIRスペクトルおよびPXRDパターンに主成分分析を適応させた。Loadingsは生成された共結晶と未粉砕時のスペクトルを示した。Scoresは経時的に変動し、1時間で共結晶化するプロセスを二次元図に収めることができた。共結晶の生成はアモルファスを経た2段階の反応であることが示唆された。EZとSAは共結晶化を溶媒経由で達成すること、乾式粉砕でも達成できることが示された。他の共結晶の組み合わせでも同様の傾向があるものだと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共アモルファスの新しい組み合わせについて発見した。共結晶や共アモルファスの生成におけるIRスペクトル、PXRDパターンやNIRスペクトルに対してPCAによる教師なし型のデータマイニングに成功した。これらのデータセットをさらに拡張させて教師あり型の機械学習に応用することでより有意義なパラメータを抽出することで研究の発展が望めることがわかったため、順調であるといえる。また、教師なし型のデータマイニングにはコホネンのself organizing mappingを適応させることでそれぞれの変数の類似性について考察できることが考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策としては,現在ピロキシカム、メロキシカム、エテンザミドについて応用してきたが、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の各種主薬に応用することである。 これらの共アモルファス化によって水溶性の向上やスペクトル変化に対してデータマイニングによる考察を提示していく。医薬品の水溶性向上においては未解明な点がまだまだ多いが、粉砕工程への工夫などをしていき解明していき前向きに取り組む。共結晶化および共アモルファスの良好な組み合わせをデータマイニングにて規則性等を提示できるように追求していく予定である。
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