本邦の2型糖尿病患者では、血糖値を下げるインスリンの分泌障害を起因とする症例が他国と比較して多いことから、インスリン分泌障害の発症機序に着目した。特に、グルコース濃度変化に応じてインスリンを含有する小胞を細胞膜へ移行させ、その小胞膜と細胞膜との融合に関与する脂質修飾タンパク質を探索するため、分析手法の開発を試みた。 脂肪酸鎖長の異なる分子種を合成し、生体内で目的の分子をラベル化するクリック反応を利用して、脂質修飾されやすいタンパク質を解析した。その結果、脂肪酸鎖長に応じて変動するタンパク質の検出に成功した。また、合成した分子種によるインスリンの分泌能を解析し、簡易的分析手法の開発に着手した。
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