近年、パースルフィドなどの活性硫黄分子種による酸化ストレスに対する防御的役割が注目されているが、詳細なメカニズムはこれまで不明であった。本研究では、パースルフィドによるタンパク質酸化損傷修復メカニズムの解明を目指した。まず、チロシン脱リン酸化酵素(PTP1B)がパースルフィド化を介して可逆的に修復されることを明らかにした。また、活性酸素合成酵素であるNADPHオキシダーゼ(Nox)と一酸化窒素合成酵素(NOS)による新規の硫黄代謝系を見出した。以上の結果から、パースルフィド化がタンパク質酸化損傷修復において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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