プリン作動性化学伝達は疼痛を始め多彩な生理作用との関連が報告されている。プリン作動性化学伝達の出力系であるATPの小胞内蓄積を司る小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)に着目し、慢性疼痛の発症メカニズムを解明し、組織におけるプリン作動性化学伝達の生理的意義を明らかにすることを目的とした。さらに、VNUT阻害剤を探索し、副作用の少ない、分子標的型の新規医薬品の開発を目指した。本研究により新たに必須脂肪酸のエイコサペンタエン酸がVNUTを選択的に阻害し、ATP放出を制御し、慢性疼痛を抑制することを明らかにした。
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