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2022 年度 研究成果報告書

海馬亜鉛イオンによる情動記憶の強化とそのメカニズム

研究課題

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研究課題/領域番号 20K15996
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

鈴木 美希  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (00740200)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード情動 / 記憶 / 海馬 / 亜鉛イオン / ノルアドレナリン / グルココルチコイド / PTSD / LTP
研究成果の概要

本研究では、心的外傷後ストレス障害の治療戦略の構築に繋げるため、情動体験時に分泌されるノルアドレナリンとグルココルチコイドを介したZnイオンの作用に着目し、情動記憶が強化される機構の解明を目指した。
海馬のZnイオンは、記憶の分子機構とされるシナプスの可塑的な変化に対して、シグナル因子であるとともにシナプス肥大の構成因子でもある。そこで、「情動体験時のノルアドレナリンやグルココルチコイドの作用を介した海馬細胞内Znイオン動態が強固な記憶の形成に重要である」という仮説の元、アドレナリンβ受容体活性化条件ではグルココルチコイドの作用により細胞内Znイオンが減少し強固な記憶を形成することを示した。

自由記述の分野

脳神経科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

アルツハイマー型認知症に限らず、PTSDをはじめとする未だに根本的な治療法が存在しない疾患に対して、根本治療法の開発が望まれている。記憶形成に重要であると認識されてきたCaイオンに関する知見に加えて、Znイオンが、ノルアドレナリンやグルココルチコイドと協調し、強固な記憶形成を担うことを示した本研究は、強固な記憶形成に対するさらなる理解深化に繋がり、学術的意義は高い。さらなる検討は必要であるが、PTSDモデルに対して行った本検討は、強固な記憶形成機構の破綻がフラッシュバックやPTSD発症に関与することが考えられ、根本治療に繋がる可能性を秘めている。

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公開日: 2024-01-30  

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