抗がん剤誘発性末梢神経障害は、白金化合物やビンカアルカロイド系抗がん剤によって生じる有害事象であり、抗がん剤治療の継続とともに難治性となる。既存の鎮痛薬等では十分な治療効果は得られず、新規治療法の開発が急がれている。がん患者を対象とした有害事象抑制作用に係る臨床研究は倫理的な面からハードルが高い。しかしながら本研究では、臨床データを解析することによって既に使用されている薬剤の中から末梢神経障害治療に応用可能な薬剤を見出すことに成功した。また、行動薬理学的手法から予防・治療効果を証明するに至り、新規抗がん剤誘発性末梢神経障害治療薬として早期に臨床応用化可能なことが期待される。
|