研究課題/領域番号 |
20K16011
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
茂木 肇 城西大学, 薬学部, 助教 (00582272)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | S-Allyl-L-cysteine (SAC) / 肝実質細胞 / 細胞増殖促進作用 / インスリン様増殖因子1型 (IGF-I) / Janus kinase 2 (JAK2) |
研究成果の概要 |
S-アリル-L-システイン(SAC)は、初代培養肝実質細胞において細胞増殖促進作用を示しました。その効果は、SACが肝実質細胞の成長ホルモン受容体/JAK2/PLC/Ca経路を介してインスリン様増殖因子1型(IGF-I)分泌促進作用を示し、分泌されたIGF-Iが受容体チロシンキナーゼ/Ras/MEK/ERK2/mTOR経路を刺激することにより細胞増殖促進作用を示しました。また、SACの肝実質細胞増殖促進作用は、α1アドレナリン受容体作動性薬の併用により増強することも認められました。その増強効果は、活性化されたPKCがSACの増殖シグナルのRasとERK2の間で相互作用することが認められました。
|
自由記述の分野 |
薬理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、SACは抗酸化作用や抗炎症作用だけでなく、細胞増殖促進作用を有することが明らかとなり、さらにその詳細なメカニズムについても実証することが出来ました。これは、肝再生現象の解明の一端を担うだけでなく、臓器形成や癌化の仕組みの解明などにも応用することが期待出来ます。また、SACは、生体肝移植後のドナーやレシピエントのための肝再生促進薬として臨床応用に繋げることも期待出来ます。SACは、従来の増殖因子(肝細胞増殖因子:HGFなど)よりも安価で安全性が高く、低分子アミノ酸であるため経口投与も可能です。SACは更なる研究を進めることにより多くの可能性を示すことが期待出来ると考えます。
|