本研究では、網膜の新生血管においてVEGF受容体 (VEGFR) の下流シグナル経路の活性化状態を可視化することを目的とした。そして、4日齢のマウス網膜の血管内皮細胞と非血管内皮細胞において、1) VEGFRの下流シグナル分子であるERKのリン酸化が亢進していること、2) MEK阻害薬及びVEGFR阻害薬投与1時間後に血管内皮細胞において認められるリン酸化ERKが消失すること、及び 3) VEGF受容体阻害薬投与6時間後に血管の退縮が生じることを可視化できた。これらの結果から網膜の新生血管においてVEGFR阻害後にERKのリン酸化が血管内皮細胞死に先行して抑制されることが明らかになった。
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