IDO-1 酵素は、がんの免疫逃避機構に関与していることから、活性阻害によるがん細胞の増殖抑制効果が期待されている。本研究は、難治がんの克服を目的として天然物の系統的な IDO-1 阻害物質の探索を行う初めての例である。成果として、ユリ科植物から3種の新たなIDO-1阻害活性物質が見出され、有毒植物からはIDO-1阻害活性は示さなかったものの、併用により抗がん剤の活性を強める成分が新たに見出された。これらの成果はメカニズム解明の端緒になるとともに、抗がん剤の治療効果の向上、副作用の軽減、医療費の削減などへの展開が期待できる。植物資源の利活用に繋がる点でも重要な意義がある。
|