研究課題
若手研究
進行肝細胞患者を対象に、レンバチニブの血中濃度と副作用・治療効果の関連について、後方視的観察研究を実施した。その結果、Receiver operating characteristic (ROC) 解析において、grade 3以上の副作用を発現する有意なカットオフ値は、71.4 ng/mLであり、responderを予測する有意なカットオフ値は、36.8 ng/mLの結果が得られた。
臨床薬理学
本研究成果により、TDMに基づくレンバチニブの個別化投与設計が可能となり、個々の患者に合わせた適切な薬剤選択・投与量決定が実現する。これにより、①最適な治療効果を早急に得られることによる治療効率の向上、②過剰投与の防止に基づいた有害事象発現率の低下と患者のQOL改善、という医学的なメリットに加え、③投与量の最適化による薬価負担の軽減や、④有害事象発現率の低減による有害事象関連医療費の軽減など、薬剤経済学的なメリットも期待できる。